セカンドキャリアを退職することを決めましたが、今回はその決断が刹那的なものではないことと、決断するのに役立った資金・資産計画表について書こうと思います。
最近、「Die with Zero」という本が特にシニアの間で人気のようで、同世代の集まりで話題になると、多くの方が既に読んでいて「良かった」と言うので、遅まきながら私も読んでみました。
確かにメッセージがシンプルで分かりやすく、短時間で読める面白い本なので、一度読んでみる価値はあると思います。感じ方は人それぞれだと思いますが、私の場合は、自分の考え方の後ろ盾を得たような感覚を持ちました。
私はどちらかというと経済水準が中の下から下の上ぐらいの家庭で生まれ育ちました。といっても、ひもじい思いをした訳ではありません。
父は工場ワーカーでしたが、とにかく外遊びが大好きな人で、年間を通じて釣り、春は潮干狩り、秋はみかん狩り、冬は狩猟などに頻繁に連れていってもらいました。
DIYも得意で、私が中学時代を過ごした勉強部屋は、父が電気ノコギリやドリルを使って一人で築造した建屋で、そうした道具の使い方も教えてくれました。
母は3人の子供の食費や学費を賄うために、フルタイムで仕事をしながら全ての家事をこなしていましたので、大変だったと思いますが、いつも明るく優しい人でした。
3人の兄弟が巣立ち、父が60歳で定年を迎えた時に、二人で小さな喫茶店を始めましたが、間もなく、父にすい臓がんが見つかり、あっけなく61歳で他界。その悲しみから立ち直り、コーラスやフォークダンスで自分の時間を楽しみ始めた母も胃がんを患い、63歳で他界してしました。
遊ぶことが大好きな父親も、漸く自分の時間を持てるようになった母親も、これからというタイミングで、やりたいことを十分に楽しむことなく、人生を終えてしまいました。
両親がどれほど無念に思っていたかはわかりませんが、早すぎる二人の死は、私の人生観に大きな影響を与えました。
やりたいことはやれるうちにやっておこう
「人生100年」と言われていますが、成人男性の健康寿命は74歳。多分、自分はそれより短いだろうから、「元気で動けるうちに出来るだけ人生を楽しもう」・・・ 私の場合、そういう考えが、普通の人よりかなり強いと自覚しています。
そんな私は、なるべく早くリタイアして遊ぶために、10年ほど前から下表のような簡単な資金・資産計画表をExcelで作り、適当に更新しながら暇な時に眺めて、計画通り進んでいるかを確認してきました。
(74歳の健康寿命を意識しながら、90歳までの計画表を作っているのはご愛敬ですが、同い年のさとみん(妻)は最短でもそのぐらいは生きそうなのでそうしています。)
(下記計画表はあくまでサンプルで、数字は実際とは異なります)

このような計画表で、57歳で銀行を退職する時点で、そのまま仕事をしなくても何とか食べていけそうだというのは確認出来ていて、仕事が面白くないと感じ始めた頃から、退職して収入ゼロになり、世界一周などで結構な出費が発生することに加え、その後はバイトのような仕事しか就けなくても、何とかなりそうだということを、何度も計画表でシミュレーションして確認していたので、今回の決断に逡巡はありませんでした。
とても簡単な資金計画表ですが、シンプルゆえに分かりやすく、いろいろなパターンも検討できるので、もしそのようなシミュレーションをしたことがなければ、一度作ってみることをおススメします。
もっとも、さとみんに計画表を示して、「ほら、仕事を辞めても大丈夫でしょ」と説明しても、
「収入が無くなるのは、とにかく不安だわ」
「退職してずっと家に居るようになるとキツイわ」(←私はアウトドア派なので、ずっと居ませんけど)
などと、感覚的な物言いで抵抗を示しました。彼女は私よりずっと安定志向なので、この反応は仕方ありません。
一方で、私が仕事に不満を持っていることは、日ごろの会話で理解していましたので、何回か会話を重ねるうちに、最終的には私の退職について理解してくれました。
次はセカンドキャリア探しについて書きます。
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